糖質は、体脂肪を減らして痩せやすくなるための重要な栄養素(筋トレダイエット)
「糖質は悪!糖質は身体に不要!」
2ヶ月で10-15kg減を謳う某高額パーソナルジムに通う方が、“結果にコミット”するためよくインスタで唱えているのを目にする「糖質は悪」スローガン。
2018年夏、1100kcal/日の低カロリー&脂質制限ダイエットを行っていた私は、たんぱく質こそ1日100g以上摂取を死守していたものの、糖質は水分による体重増が怖くて1日80gも摂れない日々を送っていました。
※糖質は1gにつき約3gの水を保持します。つまり、単純計算で100gの糖質を摂ると水分だけで300g増えることになります。
約3ヶ月ほどの間に体重10kg以上、体脂肪率14%ほど減らすことは出来たものの、それまで順調に減り続けていた体重はここにきて停滞、または微増の気配。さすがにこれ以上摂取カロリーを下げるのはさすがにマズいと感じ、一旦1日の摂取カロリーを1500-1800kcalぐらいに上げて身体の代謝を戻そうと決意。
でも、あれもこれも食べたいのを我慢して、ひたすら筋トレと有酸素運動を頑張って、全てを犠牲にしてダイエットだけを生活の中心に据えて、やっとの思いで減らした体重と体脂肪。
減量期でないなら糖質は150g-200gほど摂るべきと目にはしても、糖質を摂ったらせっかく減らした体重がまた元に戻ってしまう。たとえ増えた重さが水分だとしても、増えたまま体重が戻らなかったらどうしよう…という恐怖から、なかなか糖質の摂取量を増やすことが出来ずに悶々としていました。
やっと食事制限を抜けたのに。ある程度何でも食べられるようになったのに。米も芋もパスタもパンも、OKなはずなのに。
飢餓状態に入っている身体は栄養を求めて暴食傾向を見せており、しっかり食べた方が良いと頭では思っても、心がついて行かない日々。
摂食障害という泥沼に落ちるのは何としても回避したい。だけど、糖質摂取量を200gまで増やすのがどうしても難しい。
そんな時、ボディメイク指導者である森拓郎さんが、ご自身のVoicyで「糖質を摂った方が体脂肪が落ちるメカニズムを知りたい」という質問にとても丁寧に答えていらっしゃるのを聴き、糖質がなぜ重要なのか、運動してダイエットをする際には糖質を十分に摂らないと効果が出なくなる理由などを理解することが出来ました。
この日、このVoicyを聴いた直後から、私の中の糖質恐怖症は完全に消え去り、「糖質が簡単に体脂肪に変わることはない」と心から安心して糖質をしっかり摂れるようになりました!!!
知識が足りないことで無意味に恐がっていた糖質。
「糖質が怖い」「糖質は太る」と思っているダイエッターさんで、でもご飯やパンを必要以上に我慢することなく食べたいと思っている方にもぜひとも知って欲しいと思うので、簡単にまとめてみます。
番組説明と今回の質問
森拓郎さんのVoicyプログラム「森拓郎の聴くだけでヤセるラジオ」は、「運動指導者が断言! ダイエットは運動1割、食事9割」などの著書があるボディメイク指導者の森さんが毎日様々な質問に音声で答えてくださる番組です。
ブラウザからでもスマホのアプリからでも無料で視聴可能。
ダイエットのことから恋愛・人間関係のお悩みまで。森さんの温かいアドバイス、鋭いツッコミ、爽快なぶった斬りトークが詰め込まれています。
今回ご紹介するのは、2018年10月16日放送回の一部。
Voicy「森拓郎の聴くだけでヤセるラジオ」:糖質を摂った方が体脂肪が落ちるメカニズムを知りたい(2018年10月16日放送)
糖質を摂った方が体脂肪が落ちるのですか?メカニズムを詳しく知りたいです。またご飯などのでんぷんから摂取した方が良いのはなぜですか?Voicyを聴いて糖質を摂ろうと思うのですが、どうしても不安になってしまいます。
※この質問は、この回以前に寄せられていた質問(あすけんアプリでタンパク質異常とでてしまう)に対する回答をベースにしたもの。先回の質問者は「BMI18.5で体脂肪率26%(体重は軽く体脂肪率が高め)。たんぱく質を大量に摂取。脂質糖質の摂取量は少ない(PFC=150/50/10)」状況だったので、単純に今食べている以上に糖質を増やすだけだとカロリーオーバーになる可能性あり。
やみくもに糖質を摂りまくれば体脂肪が落ちるわけではなく、「運動をしながら低カロリー、高たんぱく質低脂質低糖質のダイエット生活をしていること」が前提にあるので、食事制限だけで運動なしの方は対象外です。
質問者さんの状況は、体重を減らすために、週5の運動(ジム&有酸素30分)をやりながら、食事制限。
当時の私の状況そのもの(苦笑)。たんぱく質は100-150g摂っていても、糖質は最大100g。脂質は30g前後。週5-6で筋トレ+水泳+ウォーキング(各30分)。
highlight耳で聴くだけよりも、文字にした方が私は理解しやすいのと、再生する時間がない時の振り返りに便利なので文字でまとめていますが、まだこの回を聞いたことがない方は是非ともVoicyで森さんの実際のご説明をお聴きになってください。
脳と赤血球に最低限必要な糖質は、1日120g
1日に脳や赤血球が必要とする糖質の量は、120g。
<何もしなくても>糖質120gは必要。→100g摂取だと、糖が足りていない。
糖がなければ身体はケトン体をつくらなければいけない
→脂質が必要
→脂質摂取量も足りていない
運動をしている場合、脂質を減らすならば、脳と赤血球に足りる量の上にさらに運動に必要な糖を摂っておかないと、栄養不足が起こる。
この、脳と赤血球が【最低限】必要とする120gの糖質を食事から摂取せずに、運動すると?
- まず、運動には糖質が必要
- 運動中、糖質が足りなければ代わりに脂質を使ってくれるわけではない
- だから、運動する時には糖質が絶対に必要
- でも、脳でも赤血球でも糖質を使うので、足りなければ筋肉を削って筋肉から糖質を生成するしかなくなる
いや、そのためにたんぱく質をたくさん摂取してるじゃない?運動に必要な糖質、大量摂取しているたんぱく質から生成すれば?
糖質は、糖質のままエネルギー源として使えるが、たんぱく質をエネルギー源とする/たんぱく質から糖質を作るのには、ものすごくエネルギーが必要で、効率が悪い!
エネルギー不足の状態で運動してもパワーが出ないし、ふらふらするし、力が出ない。そうすると、身体は省エネモードになる。
例えば、iPhoneの電池残量が10%を切ると自動的に省エネモードに入って、画面が暗くなったり不要な機能を停止させるように…
身体が省エネモードに入ったら、低カロリーにしても痩せない
栄養不足により身体が省エネモードに入ると、摂取カロリーを下げても痩せなくなる。
1時間で200kcal消費するはずの運動をしても、身体が消費エネルギーを下げて100kcalしか消費しなくなっているかもしれない。何もしなくても消費される基礎代謝も、下がっている可能性がある。
- Q:何のために運動をするのか?
- A:脂肪を落とすため
- Q:脂肪を落とすために必要なことは?
- A:刺激を入れること
- Q:刺激を入れるために必要なものは?
- A:エネルギー
- Q:エネルギーは何から摂る?
- A:糖質
「運動」によって、エネルギーをたくさん消費して今より体脂肪を落とせ、という刺激を身体に与えようとしているのであれば、体脂肪を落とせという刺激を出来るだけたくさん与えるために、糖質が必要。
不要な体脂肪を落としていきたい=エネルギーを消費しやすい身体にならなければいけない。
しかし、エネルギー不足で省エネモードになった身体は、脂肪をさらに溜め込もうとする。
低カロリーにし過ぎて栄養バランスも悪い→代謝が落ちる→低カロリーにしていても全然体重が落ちない。
食べたら脂肪になる、という考えがおかしい。
highlightガソリンタンクが空のままでは車は走れない。エネルギーが足りないままでは、体脂肪を落とすための十分な刺激を与えられない。
体脂肪を落としたくて運動するのならば、その運動の質が低いと落とせるはずの体脂肪をしっかり落とせないかもしれない。糖質は、その<体脂肪を落とすための運動の質を高める>ために必要なもの。
そして、摂取カロリーが下がれば身体は可能な限りのエネルギー減を確保するため、最大限脂肪を身体に溜め込もうとする。←脂肪を落としたいのに、溜め込みに入ったら逆効果。そんなことは望んでいないのに…
糖質を体脂肪に変換するには手間がかかる。100gの糖質から20gの体脂肪になるぐらい
たんぱく質から糖質をつくるのに手間がかかるのと同じで、糖質を体脂肪に換えるのは手間がかかる!
「余った糖質は体脂肪になる」と言うけれど、糖質100gから20-15gしか体脂肪に変換することは出来ない。体脂肪に変わるのは四分の一程度。
糖質は摂れば摂るほど、体脂肪に変換するのが大変。糖質を摂りすぎると、身体は熱を作ってどんどん糖質を燃やそうとする作用がある。
だから。
運動をするならば、全摂取カロリーの半分以上を糖質から摂った方が良いし、最低でも120g以上は糖質を摂るべき。
糖質を上手く使うには、ビタミン・ミネラルが必要。摂取を1200kcalにした時にバランスよくビタミン・ミネラルを摂れていないと、せっかく摂った糖質を余らせることになる。
カロリーだけ、ではなく3大栄養素をどう摂っていくかが重要。
糖質をたくさん摂ると痩せやすくなる。しかし「同時に脂質をたくさん摂る」と脂質が体脂肪になる
チートデイは、糖質をたくさん摂るための日。
糖質を大量に摂ると、レプチンという代謝アップのためのホルモンが刺激を受けて痩せやすくなってくる。
糖質をたくさん摂ってもなかなか余らせることは難しい。
ただし。
糖質をたくさん摂っている時に、同時に脂質も摂っていると、脂質が体脂肪になりやすい。
脂質は100g余ったら、100g体脂肪になる。
だから、糖と脂質を同時に摂らない方が良い。糖質をたくさん摂る時は、脂質を抑えめにする。
糖質制限でケトジェニックにしている時は、ケトン体が糖質を補助するので、代謝不良は起こりづらい。しかしそれはそれで難しい。理論の正誤を語る前に、難しい。
ここまでが、森さんVoicyの要約です。以下、私の感想と考察。
糖質摂取量を増やすのが難しい…と思っていた悶々が吹っ飛んだ
糖質は水分を溜め込むとか、インスリンを出して血糖値を上げ、急激に上がった血糖値が血管を痛めるとか。そんな悪印象を与える情報だけが闊歩するダイエット業界に翻弄され、糖質に怯える日々が終わりを告げました。
- 糖質→脂肪への変換率は25%程度
- 糖質をたくさん摂れば摂るほど、体脂肪に変換するのが大変
- 糖質を大量に摂ると、身体は熱を作ってドンドン糖質を燃やそうとする(=体温が上がる)
- 摂取カロリーを下げすぎると、身体は省エネモードに入って消費カロリーを下げ、痩せづらくなる
- 糖質を大量に摂ることにより、代謝アップのホルモンであるレプチンが刺激を受けて痩せやすくなる
運動をしながら減量したいダイエッターなら、知っておいてきっと損はしないこの情報。
それでも、「私にとって糖質は悪だ!」と思う人、考える人はそれで良いと思います。別に、糖質を崇めよ!と言う気は、私にはありません(笑)
特に、糖質の代謝力が弱くて糖尿病になっている方などは、脂質の大量摂取でケトン体を作った方が内臓脂肪がさっさと落ちていきやすいでしょうし。
でも、米・芋・小麦粉・トウモロコシ・かぼちゃなど、糖質が大好きで大好きでたまらないのに、体重を増やしたくなくて糖質の摂取を諦めているダイエッターには、朗報だと思うのです。
糖質を怖がって糖質を避けて。脂質も体脂肪になるから脂質も避けて、たんぱく質だけを大量に摂る。それで栄養不足になって、生命維持の危機と判断した身体が省エネモードを発動することにより、どれだけ摂取カロリーを減らしても、体重が減らなくなる。
そんな悪循環、誰も望んじゃいない(T-T)
糖質をしっかり摂ろう。もう糖質は怖くない。運動して身体をもっと引き締めるために、糖質を摂って痩せやすい身体になるために、最低120gは必ず摂る!
正しい情報にupdateされた私の糖質認識。覆された誤った思い込みと、完全に払拭された糖質への恐怖。
あまりにも嬉しくて(これで怖がらずに糖質ガッツリ摂れるようになるので・笑)、Twitterで森さんに直接お礼を伝えたら、赤血球の事も考えるなら、150g以上摂って欲しいと言われました。
赤血球のことも考えれば、普通は150g以上はとってほしいんです。それ以下の摂取量なら、やはり糖新生が必須です。そこに脂質が少なければ、ケトン体もでにくいですし。低カロリーって代謝ダウン必須ですよねぇ…
— 森拓郎 (@moritaku6) 2018年10月16日
おおっと!120gはホントに最低値で、脳みそ+赤血球への糖質を十分に賄うにはちょっと足りない様子。
低カロリーって代謝ダウン必須ですよねぇ…
の一言がズシーン、グサッとくる。。。しかも私は、森さんが最悪の手だとぼやかれた「糖質も脂質も摂取量が少ない」ダイエットをやっていたんですよね。特に脂質を20-30gに抑えていました…
低脂質をやりすぎて、お肌カサカサ、生理不順等には十分気をつけてください。もちろん、低糖質と並行してた場合の方がリスクは高かったですが…!
— 森拓郎 (@moritaku6) 2018年10月16日
はい(T-T)
私は個人的に森さんを信頼できるボディメイク指導者と思っているのですが、その理由はこの「生理不順等には十分気を付けてください」という言葉が当たり前に発されるところにあります。
パーソナルトレーナーや、ボディメイク指導者を名乗る(自称他称どちらでも)人がたくさんいる中、<女性には脂質が必要。脂質不足は生理不順の原因となる>ことをきちんと指摘し、配慮を示すことをしない男性の指導者をちらほら見かけることがあり…
この点が配慮できない男性指導者は、私の中では「指導者失格」です(きっぱり)。
今回のこのVoicyで目から鱗がボロボロボロボロ落ちまくった瞬間を境に、私は【糖質ひゃっはー ヽ(*^^*)ノ】なダイエット生活に切り替えました(笑)
運動するんだから、糖質は摂る。ご飯も芋もパスタもパンも食べる!
と言っても、うどんを再開したのはつい最近(2019年1月あたり)なので、「糖質大事!」と頭で分かってはいても気持ちがついて行かない状態は数ヵ月続きましたが…(^_^;
正しい知識があっても、心が竦んで動けないことはある。
でも、正しい知識があれば、少しずつ挑戦していける。
いま、糖質を摂ることが怖いと思っているダイエッターさんがいらしたら、森さんのVoicyを聴いて、少しずつ正しい知識に触れて欲しいなと思います。
私もまだまだ完全に運動と糖質の関係を理解しきっているわけではなく、運動前後の糖質摂取についてなど、何度聴いてもいまいちピンとこないこともありました。
でも、森さんは何度も何度も、表現を変えて、分かりやすくいろんな例を挙げて説明してくださるので、何かのはずみで「それか!」と腹に落ち、さらにボディメイクがやりやすくなったことがたくさんあります。
こんなにも「森さん、森さん」を連呼してるとステマ狙いの回し者みたいですが、そんなことは一切なく(^_^;
森さんのVoicyによって糖質恐怖症を払しょくできた、ただの1人のダイエッターです。
このVoicyが放送されたのが10月半ばでラッキーでした。高糖質低脂質のサツマイモを、心ゆくまで堪能することが出来ましたから!!(爆笑)
【補足】今回のVoicyでは触れられていませんが、脳は糖質が足りなければ脂質由来のケトン体をエネルギー源として使えても、赤血球は糖(ぶどう糖)しかエネルギー源として使えません。赤血球はケトン体では動かないです。
ぶどう糖のみをエネルギー源とするのは、赤血球とガン細胞だけ。
だから、糖質制限推進者は「糖質を抑えればガンにならない」と謳うことが多い傾向があるのだと思います。が、生命維持に必要不可欠な<赤血球>に糖質が絶対的に必要なことはあまり語られないので、これを知らずに「糖質は悪!」と思い込んで身体を壊すダイエッター(特に女性)が後を絶たないように思えます…
なぜ赤血球はぶどう糖しかエネルギー源に出来ないのか?答えは、赤血球にはエネルギー産生工場であるミトコンドリアがないから。
酸素と二酸化炭素を運搬する作業に徹する赤血球は、自力でエネルギーをつくることができず外部供給に頼るしかない。
もちろん、赤血球が必要とするぶどう糖は、食事から摂らなくても肝臓でたんぱく質から作り出すことはできます(糖新生)。ただ、効率が悪くない?というのが、今回のお話。
低カロリーダイエット中の私は、確実に糖新生を起こしていたと考えられますが、糖新生で足りない糖を補っていなければ、とっくの昔にぶっ倒れていたでしょうね…(蒼白)